飛行機はどの機材が揺れにくい?揺れに強い機種ランキングと理由を解説

飛行機はどの機材が揺れにくい?揺れに強い機種ランキングと理由を解説A350 787 767 737 A320

飛行機に乗るとき、1番気になるのは「揺れ」ではないでしょうか。

特に国際線は飛行時間も長く、乱気流に入る時間も増えるため、揺れの不安は誰にとっても共通の悩みです。

揺れにくい機材や路線ごとの揺れの傾向を、飛行機に年間30回以上乗りながらも揺れが苦手な筆者の経験をもとに、初心者の方にもわかりやすく解説します。

この記事を読み終えたあと、次のフライトで「揺れ」に振り回されることはなくなります。

目次

なぜ飛行機は揺れるのか

飛行機が揺れる理由

飛行機の “揺れ” は、ほとんどが 乱気流 によって発生します。

乱気流は、空気の流れが急に変化するエリアのことで、飛行機がそこを通過すると一時的に揺れを感じます。

専門的な理由はいくつかありますが、代表的なのは次の3つです。

1.ジェット気流による影響
日本〜アジアの国際線は、上空1万m付近の強い風(ジェット気流)の境界を通ることが多いです。
この“境界に入る瞬間”が最も揺れやすいとされています。

2.上昇気流・下降気流の差による影響
上昇する空気と下降する空気の差で、機体が一時的に上下に動くことで揺れを感じます。

3.山岳波による影響

日本アルプスなど“山を越える空気” が乱れを作り出すことで揺れが起きることがあります。

「揺れ=危険」ではない

ここが最重要ポイントです。

揺れは “不快” ですが “危険とは別物” です。

操縦席では常に気象情報を受信、管制とも情報共有しているため、
基本的に航空会社は「揺れが強い場所を避けて飛ぶ」運航をしています。

実際、私自身の体感としても
揺れて嫌だった経験=危険な経験とは全く違う ものです。

それでは次に揺れの“不安”を情報で可視化し、「どの機材だと揺れ感じにくいのか?」整理します。

揺れにくい機材ランキング

多くの航空会社が採用する旅客機の中で、筆者が2025年時点で「揺れにくい」と感じやすい機材を、空力設計・翼のしなり性能・最新制御システムの精度が高い順にランキング付けします。

1位:A350

羽田空港に駐機するJALA350-900 飛行機の揺れやすさ

A350は“しなる翼”の制御が最先端で、揺れを吸収する性能が非常に高い機材です。

最新の制御理論+炭素繊維主体の軽量構造の組合せにより、突発的な乱気流でも衝撃感が低く感じられます。

筆者の体感としては、A350は揺れのショックが「フワッ」と吸収される印象が強いです。

2位:787

伊丹空港に駐機するJAL787-8 飛行機の揺れやすさ

世界的に運用数が多い“次世代主力機”です。

A350同様に翼がしなる設計で、小刻みな揺れの吸収が極めて上手く、A350と双璧の「揺れに強い機材」と言えます。

筆者の体感としては、787はA350と並んで最も揺れのストレスが小さいです。
また、A350よりも翼のしなりが大きく、突発的な風による揺れが少ない気がします。

3位:A330

広州空港に駐機する中国南方航空A330

旧世代寄りではあるものの、機体サイズが大きく安定感が高い機材です。

筆者の体感としては、A350や787ほどではないですが、翼が比較的長いためか揺れにくいと感じています。

【補足枠】777

羽田空港に駐機するANA777-200

777は巨大な機体質量で揺れに強い面がありますが、翼そのものの“しなり”吸収は新世代より弱いので、揺れる時は揺れる 機材です。

筆者の体感としては、小刻みな揺れは少なく安定した飛行がほとんどですが、揺れるときには揺れがかなり大きく、「ドン」と揺れて、まさに飛行機の揺れという感じがします。

揺れやすい機材の傾向

小型機(737 / A320)

庄内空港ANA737-800

小型機は重量が軽い分、風の影響を受けやすく、小刻みな揺れが多く発生します。

筆者の体感としては、小型機の中ではA320よりも737の方が揺れる気がします。一方で、小型機の中でもA321は胴体が長い分、比較的揺れにくい印象です。

中型旧世代(767)

羽田空港に駐機するAirdo767-300エアドゥ

767は中型だけど旧世代ゆえ、小さめの揺れでも「揺れた」と意識に残りがちです。

筆者の体感としては、767は翼がしならない分、飛行機全体で揺れを受け止める印象があります。そのため、揺れるときには上下左右に揺さぶられる感じがします。

路線による揺れやすさ/揺れにくさの傾向

飛行機の揺れは「機材」だけでなく「飛ぶルート」にも影響を受けます。

国内線でも揺れやすい/揺れにくい路線はありますが、本記事では、よりその傾向が顕著な日本からよく利用される3方向の主要エリア別に整理します。

東アジア方面(ソウル・台北など)

距離が短く、飛行時間も3時間以内の便が多いため、比較的安定しやすい路線です。

ただし冬の日本海側ルートでは、季節風の影響を受けて揺れやすい時間帯もあります。

筆者の経験上、朝鮮半島上空は揺れる気がします。中国の東側(北京など)の路線が朝鮮半島上空を飛行します。

東南アジア方面(バンコク・シンガポールなど)

距離が伸び、赤道付近に近づくため、上昇気流の影響による揺れ が起きやすくなります。

特に「午後出発便」や「夏〜秋」は、地表の暖まり方が揺れに影響しやすい傾向があります。

筆者の経験上、海の上空を飛行していて、分厚い雲が見えてきたら揺れる気がします。

太平洋横断ルート

太平洋横断ルート(北米線)は、ジェット気流の影響を強めに受けます。

「行きは揺れたけど、帰りはあまり揺れない」など、方向によって差が大きい路線です。

日本海を迂回するルートでも、冬季は偏西風の影響で揺れやすいケースがあります。

筆者の経験上、太平洋上空では小刻みな揺れよりかは、ドスンと大きな揺れが突然来る印象です。

機材:揺れやすさを吸収する機材かどうか
路線:揺れの発生しやすい路線かどうか

→この2つをセットで理解することが大切です。

揺れが怖い人のための対策

揺れは「ゼロ」にできませんが、“感じ方” を大幅に小さくすることはできます。

ここでは実際にすぐ実践できる、効果の大きい対策を紹介します。

座席位置の選び方

揺れの体感差は どの席に座るか で大きく変わります。

飛行機の重心(揺れるときの軸)は飛行機の真ん中です。

そのため、揺れが最も伝わりにくい位置は 翼の上付近(中間付近)となります。

逆に飛行機の前方や後方の座席は揺れの振れが出やすくなります

座席の位置揺れの感じやすさ
翼の上最も揺れを感じにくい
前方やや揺れにくい
後方最も揺れを感じやすい

筆者の経験としても、最後尾から2列目に座って新千歳に向かった際は、軽くお尻が浮くほどの揺れに遭遇しました。

機材確認方法

今は航空券検索サイトで その便の機材 を事前に確認できます。

揺れやすい機材・揺れにくい機材のおさらい
・787 / A350 → 揺れに強い
・A330 / 777 → 比較的安定
・737 / A320 → 揺れを感じやすい

この違いを知って、便選びに反映するだけでも安心感が全然違います。

ANA検索画面より

ANAの場合、便名の下に321や722などの運用機材が記載されています。

JALや他の航空会社でも同じく、運用機材が記載されているため、その機材が揺れにくい機材なのかどうか事前に確認して、なるべく揺れにくい機材を選ぶことが安心につながります。

どうしても小型機の運航しかない路線では、筆者はなるべくA321を選択するようにしています。A321は他の小型機と比べて揺れにくい印象を持っています。

「揺れても大丈夫」と思える知識をひとつ持っておく

揺れが不安すぎる人は、知識が“恐怖を上書きできる” 分野です。

・乱気流は危険ではない
・パイロットは最新情報を受信し続けて避けて飛んでいる
・「揺れ=危険」ではなく、揺れは“飛行機の世界では普通のこと”

この3つだけ覚えておくだけでも、実際に揺れた時のストレスはかなり変わります。

ANAやJALでは、飛行機が揺れた際にCAさんが「揺れましても飛行の安全性には影響はございません」とアナウンスしていただけますが、筆者の経験上、海外の航空会社だとこのアナウンスがないため、少し不安になります。

まとめ

飛行機の揺れは「不快」ではあるものの、「危険」とは別の概念です。

そして揺れの感じ方は“運”だけではなく、次の条件でかなり違いが出ます。

・どの機材を選ぶか
・どの座席を選ぶか
・どのルートか

2025年時点で揺れにくいと言われる機材はA350 / 787です。

一方、小型機(737/A320系)や旧世代機材(767)は揺れを感じやすい傾向があります。

「機材を知る」だけで、フライトは一段快適になります。

次の旅ではぜひ、機材と座席位置を意識してみてください。

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