アメリカの航空会社はよく利用される一方で、
「どの会社が一番安全なのか?」「事故が多い航空会社はあるのか?」
といった不安を感じる方も少なくありません。
特に、初めてアメリカへ行く人や、できるだけ安心できる航空会社を選びたいという人にとって、
安全性は航空会社選びで最も重要な判断軸の一つです。
そこで本記事では複数の客観的なデータをもとにアメリカの主要航空会社7社の安全性を比較し、
ランキング形式でわかりやすく整理しました。


きつねです!これまでに海外20か国、50以上の航空会社を利用、航空業界に5年以上勤務してきた経験をもとに記事を執筆しています!
ランキング基準について
AirlineRatingsの安全性評価だけでは判断できない理由



安全性評価として、AirlineRatingsの安全性評価が一般的に用いられるんだけど、それだけでは安全性の判断はできないんだ!
まずはその理由を解説するよ!
本記事の安全性ランキングは、アメリカの航空会社を主観ではなく “完全に客観データ” だけで比較すること を目的にしています。
一般的に使われる「AirlineRatings」では、アメリカ大手はほぼ全社が★7で横並びとなり、安全性の実力差が見えにくいです。
しかし、それだけだと、
じゃあ結局どの航空会社がより安全なの?
という疑問が残ってしまいます。
そこで、本記事では実際のデータに基づく以下の2つの指標を使用して、アメリカの航空会社を定量的に比較し、独自のランキングを作成しました。
2005年以降の事故・重大インシデント
航空会社の安全性を見るうえで最も重要なのが、「致命的な事故を起こしていないか」 という点です。
対象期間を 2005年以降 とした理由は以下の通りです。
集計の対象期間を2005年以降とした理由
・2001年9月9日の同時多発テロ後、2000年代前半に航空会社の安全文化が大きく改善された
・現代の運航システム・整備体制に近いデータが反映される
FAA重大違反の数
アメリカには FAA(連邦航空局) という強力な航空規制当局があります。
FAAは航空会社に対して定期的に監査を行い、違反があればすべて公表します。
そのため、FAAの違反数はその航空会社の安全文化がどれほど成熟しているか”を測る指標といえます。
【一覧表】アメリカの航空会社 安全性ランキング


アメリカの主要航空会社7社はAirlineRatingsの安全性指標では全社7/7(最高評価)を獲得しています。
つまり安全性そのものでは差をつけることができません。
そこで本記事では、「2005年以降の事故・重大インシデント」と「FAA重大違反の数」の2軸を使い、
実質的な安全度を比較しました。
まずは結論となるランキング一覧をご紹介します。



一覧表をまずは確認しよう
特に事故と重大違反数に注目してみてね!
| 順位 | 航空会社 | 安全性評価 | 事故 | 重大違反 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | デルタ航空 | ★★★★★★★ | 2015年着陸失敗事故 | 1件 |
| 2位 | アラスカ航空 | ★★★★★★★ | 2024年機体一部脱落 | 1件 |
| 3位 | ジェットブルー航空 | ★★★★★★★ | 2005年緊急着陸 2012年機長発狂 | 0件 |
| 4位 | ハワイアン航空 | ★★★★★★★ | 2016年油圧系統トラブル 2018年油圧系統トラブル | 1件 |
| 5位 | アメリカン航空 | ★★★★★★★ | 2016年エンジン故障 2025年空中衝突 2025年エンジン火災 | 1件 |
| 6位 | ユナイテッド航空 | ★★★★★★★ | 2024年エンジン出火 2024年タイヤ脱落 2024年着陸時脱輪 2024年飛行中部材落下 | 3件 |
| 7位 | サウスウエスト航空 | ★★★★★★★ | 2005年着陸時オーバーラン 2009年機体一部脱落 2011年機体一部脱落 2011年着陸時滑走路逸脱 2013年胴体着陸 2018年エンジン破損 | 1件 |
アメリカの航空会社安全性ランキング


第1位:デルタ航空


デルタ航空はアメリカの三大航空会社(アメリカン航空・ユナイテッド航空・デルタ航空)の1つです。
デルタ航空は、アメリカの航空会社の中でも特に安全文化と整備品質の高さ が評価されている会社です。
長距離国際線(アジア・欧州)の運航が多く、気象条件や運航負荷が大きい中でも、
安定した運航を維持している点は、同規模のフルサービスでも際立っています。
第2位:アラスカ航空


アラスカ航空はアラスカの名がついていますが、シアトルやポートランドをハブ空港としている航空会社です。
現在日本との直行便は飛ばしていません。
アラスカ航空は、2000年に大きな事故を経験した後、安全文化を徹底的に改革した航空会社として知られています。
第3位:ジェットブルー航空
ジェットブルー航空はアメリカの国内線メインで運航している航空会社です。
現在は日本との直行便は運航していません。
一応、LCCという部類に入ることが多いですが、機内は全席モニター付きなどLCCとは思えないサービスが人気です。
第4位:ハワイアン航空
ハワイアン航空の特徴は、「海上を飛ぶ中距離路線を中心に、極めて安定した運航を続けている」
という点です。
太平洋上では陸地がないため、航空会社には高い気象判断能力と慎重な運航文化が求められる中、
安全文化はアメリカ国内でもトップレベルの部類といえます。
第5位:アメリカン航空


アメリカン航空は星条旗が尾翼に描かれた飛行機で、まさにアメリカを代表する航空会社です。
そして、世界最大級の航空会社であり、運航便数・機材数ともに膨大です。
FAA違反は1件確認されましたが、規模を考えるとこれは非常に少なく、「大手FSCとしては十分に安定した安全文化」 と評価できます。
一方で、記憶に新しいのは2025年にワシントン空港着陸時に米軍機と衝突した事故。
事故を起こしたのはアメリカン航空グループのPSA航空ですが、現在も事故調査中です。
第6位:ユナイテッド航空


ユナイテッド航空は、デルタ航空やアメリカン航空と並ぶアメリカ大手フルサービスキャリアで、
太平洋/大西洋横断などの長距離国際線を多数運航してきました。
一方で、近年ではFAA重大違反が“3件”確認されました。
さらに、エンジン部品落下・整備系インシデントなど、
「重大事故には至らないものの注目されるトラブル」が近年増えている点も特徴です。
第7位:サウスウェスト航空
サウスウエスト航空はアメリカ最大のLCCで、長年にわたり安全性の高い運航を続けてきましたが、
2018年のエンジン破損事故では1名が死亡しました。
また、近年はシステム障害や運航トラブルが続き、FAAから改善命令が出されることもあり、
“運航品質”の面で課題が指摘されやすい航空会社 でもあります。
とはいえ、サウスウェスト航空は
・737のみを運航する整備効率の向上
・大量の国内線運航による豊富な経験
という長所もあり、航空安全そのものはアメリカ国内でも十分高いレベル にあります。
どの航空会社を選ぶべきか
アメリカの主要航空会社はどれも安全性は十分に高く、“危険だから避けるべき”という会社はありません。
しかし、
・安心して利用できるか
・自分に合っているか
という観点では各航空会社に特徴があります。
ここでは利用目的別に航空会社の選び方の判断軸をまとめます。
初めてのアメリカ旅行でとにかく安心感を重視したい
初めてのアメリカ旅行などでとにかく安心して飛行機を利用したいという人におすすめの航空会社は次の通りです。
デルタ航空は安全文化が高く、長距離国際線の運航実績が豊富にあります。
また、運航品質・サービスレベルが全米トップクラスで高く、ストレスの少ない空の旅ができます。



デルタ航空はサービスレベルが高いことで有名!
機内食も美味しいし、CAさんも丁寧でおすすめの航空会社だよ!
揺れがとにかく苦手な人


飛行機の揺れが苦手な人におすすめの航空会社は以下の2社です。
デルタ航空やユナイテッド航空、アメリカン航空は日本線にはA350や787などの揺れを吸収しやすい最新鋭の機材を導入しています。
また、デルタ航空やユナイテッド航空はアメリカ国内線であっても、主要都市間の便は大型機~中型機で運航することが多いです。
逆に、アラスカ航空やサウスウェスト航空は小型機しか運航していないため、揺れの影響を受けやすいといえます。



特に太平洋上空は気流の変化を受けて揺れやすいから、A350や787で運航される便を利用するのがおすすめだよ!
アメリカ国内を複数都市周りたい人
アメリカ国内を複数都市周りたい人におすすめの航空会社は以下の2社です。
特に、アメリカン航空はネットワークが全米最大級で、アメリカ国内にハブ空港が多いから乗り継ぎもスムーズにできます。



私もニューヨークにアメリカン航空を2回乗り継いでいったことがあるけど、すごく乗り継ぎがスムーズだったよ!
整備や安全文化の“透明性”を最重視したい人
整備や安全文化の“透明性”を最重視したい人におすすめの航空会社は次の1社です。
ジェットブルー航空は唯一FAA重大違反数がゼロで安全文化の透明度としては全米トップです。
日本の都市への就航はありませんが、アメリカ国内での移動の選択肢として十分あり得ます。
よくある質問(FAQ)



ここでは読者さんや友人からよく受ける質問をまとめたよ!
揺れにくい航空会社や路線はある?



航空会社よりも 機材と路線 で揺れやすさは変わるんだ!
揺れが苦手な人は揺れを吸収しやすいA350や787で運航される便を利用するのがおすすめだよ!
次の記事では揺れにくい座席もまとめているからぜひ見てみて!


安く航空券を買う方法はある?



私はいつも公式サイトと格安航空券比較サイトの両方を必ず見るようにしているよ!
まとめ
アメリカの航空会社は、世界でもトップクラスに安全性が高い航空会社群です。
本記事では、AirlineRatingsの安全性指標に加えて、事故・インシデント件数とFAA重大違反数をもとに主要7社の安全性を比較しました。
その結果、最も安全性が高いのはデルタ航空でした。
安全性の絶対値はどの会社も十分高く、「危険だから避けるべき航空会社」は存在しません。
一方で、安全文化やインシデント傾向の差を見比べることで、より自分に合った航空会社を選ぶ判断軸が得られます。
・初めてのアメリカ旅行でとにかく安心感を重視したい➡デルタ航空
・揺れがとにかく苦手な人➡デルタ航空・ユナイテッド航空・アメリカン航空
・アメリカ国内を複数都市周りたい人➡アメリカン航空・デルタ航空
・整備や安全文化の“透明性”を最重視したい人➡ジェットブルー航空
この記事が、アメリカ旅行や航空券選びの不安を少しでも減らし、安心して旅を楽しむための役に立てば幸いです。
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