能美防災はご存じですか?
火災報知や消火システムなど、安心・安全な生活を守るために必要な防災機器を取り扱っています。
そんな能美防災は投資対象候補となるのでしょうか。
今回は、能美防災株式会社がどのような企業であるかを解説し、投資を検討する上でのポイントをまとめました。
同社の業績、事業内容や今後の見通しについて考察・徹底解説していきます!
能美防災とは?
改めて能美防災とはいったいどんな会社なのでしょうか。
一言で表すと、
です。
最新技術を駆使した防災システムやセンサー技術など、高品質かつ革新的な製品を提供しており、その信頼性は国内外で高く評価されています。
まずはそんな能美防災の特徴について簡単にまとめます。
能美防災の歴史
能美防災株式会社は、1937年に創業した日本の自動火災報知設備メーカーで、防災システム技術の研究、製品の開発、施工、販売、設置、保守業務など、幅広い事業を展開しています。
自動火災報知設備は、火災の早期発見、消火に欠かせない施設であり、能美防災は、この分野で業界トップクラスの技術力を誇ります。
歴史ある能美防災の製品を通じて、安全な社会を目指しています。
能美防災が手掛ける防災設備の種類
能美防災が手掛ける防災設備には、各種の自動火災報知設備や消火システム、スプリンクラーなどがあり、防災施設やビルなど幅広い分野での防災に貢献しています。
能美防災の製品ラインアップ
能美防災は防災設備の総合メーカーとして、幅広い製品ラインアップを提供しています。
製品ラインアップは、個人向けから業務用設備まで幅広く、火災防災を中心に各種防災製品を取り扱っています。
また、製品の製造販売にとどまらず、防災システムの設計から施工、メンテナンスまでトータルに対応している点も強みのひとつです。
現時点の株価
2022年9月からは年末にかけて減少傾向にありましたが、年明けから大幅に上昇しここ数週間は上昇と下落を繰り返しています。
企業分析
各指標について数値の確認をしていきます。
四季報スコア
各指標についてのスコアは下記のとおりです。すべて5段階評価です。
成長性:2
収益性:5
安全性:4
規模 :2
割安度:4
値上がり:1
※四季報オンラインより
四季報スコアは総合評価が「3」、そのうち「収益性」が評価「5」となっています。
一方で、「値上がり」については「1」と評価されており、簡単に値上がりは期待できないかもしれません。
売上高の推移
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3(予想) |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 106,774 | 117,294 | 107,897 | 112,913 | 111,000 |
売上高は年によってばらつきがあり、今期(2023.3)は減収の見込みとなっています。
営業利益の推移
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3(予想) |
---|---|---|---|---|---|
営業利益 | 11,366 | 15,139 | 11,053 | 12,633 | 10,100 |
営業利益も売上高と同様に、年によってばらつきがあります。
また、今期(2023.3)は減益となる見込みです。
売上高・営業利益とも減少し、減収減益となる理由としては次のようなことが指摘されています。(※能美防災決算資料より)
今期減収減益となる理由
・前期に採算性の高い案件が集中していたことによる反動
・一部案件での進捗遅れ
上昇率は次の通りです。
営業利益率
※日経新聞より
日本の平均的な営業利益率が5%程度なので、上回っています。
長期的な視点で見ても、10%を下回ることはなく安定して利益率で推移していると言えます。
予想PER
※日経新聞より
参考までに15倍が平均と言われています。
EPS(1株あたり当期純利益)
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3(予想) |
---|---|---|---|---|---|
EPS | 129.42 | 174.41 | 126.38 | 155.07 | 118.54 |
EPSについても年よってばらつきがありますが、今期(2023.3)については減少することが見込まれています。
なお、EPSは投資の神様ウォーレン・バフェットも重要視する指標の1つです。
彼はEPSが上昇傾向にある銘柄に投資するようです。
自己資本比率
※日経新聞より
60%以上あるのが望ましいと言われており、その数値を上回っています。
また長期的な視点で見ても、70%前後で推移しており自己資本比率に安定感があります。
ROE(自己資本当期純利益率)
※能美防災決算資料より
8.0以上あるのが望ましいと言われているので、その数値を上回っています。
また、長期的な視点で見ても、9%前後で推移しており、ROEに安定感があります。
1株当たり配当金
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 |
---|---|---|---|---|
1株配(円) | 32 | 33 | 33 | 36 |
1株当たり配当金は上昇傾向にあり、2022.3においては36円に増配されました。
目標株価
目標株価はいろいろな機関で算出されていますのでいくつかピックアップします。
目標株価はマイナスとなっています。
短期的には、能美防災の2023.3決算が通期で減収減益が見込まれていることや、その原因でもある好採算案件が減少していることが要因として考えられます。
逆に言うと、今後の案件次第では株価の上昇も期待できると言っても過言ではないでしょう。
企業の印象
その企業の株を購入するということは、その企業を応援するということになります。
ここまでは、数値をもとに分析をしてきましたが最後は応援したい企業かどうかをHPから確認していきます。
チェックするポイントは次の点です。
企業のチェックポイント | 判定 |
---|---|
HPの見やすさ | 〇 |
社長(代表)が顔を出しているか | 〇 |
決算説明会の様子 | △ |
決算説明会資料の見やすさ | 〇 |
結果、能美防災の印象は次の通りです。
能美防災のHPはIRページが充実しており、各種IR資料を掲載しているほか、サイト内のナビゲーションも分かりやすく、スムーズに情報を探すことができます。
また、社長が積極的に情報発信しており、社長の想いを知ることができます。
しかし、決算説明会やIR説明会についてアーカイブ動画がないのが残念でした。
動画配信によってより一層、能美防災の事業内容や業績についてより理解が深まることが期待されると考えています。
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能美防災への投資判断
今回は銘柄分析として能美防災を取り上げました。
まずは能美防災の企業情報について紹介し、 次に、株価や業績に関するデータが掲載して投資に係る判断材料を示してきました。
能美防災の業績は現状としては、数値によっては安定しているものも多く、「可もなく不可もなく」というイメージですね。
しかし、減収減益が見込まれていることや、好採算案件が減少していることも踏まえて、短期的ではなく、長い視点で投資判断をすることがより一層重要な銘柄であると言えそうです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
※投資に係る最終判断はご自身でお願いいたします。