日本製鉄はご存じですか?日本を代表する鉄鋼メーカーです。
そんな日本製鉄は投資対象候補となるのでしょうか。
株式投資の際には、株価や出来高、事業内容や業績など、多様な指標を用いて銘柄を判断することが求められます。
そこで今回は日本製鉄を取り上げ、同社の業績、事業内容や今後の見通しについて考察・徹底解説していきます!
日本製鉄とは?
改めて日本製鉄とはいったいどんな会社なのでしょうか。
一言で表すと、
です。
高品質な鉄鋼製品を提供することで、幅広い産業分野に貢献しています。
まずはそんな日本製鉄について簡単にまとめます。
日本製鉄の事業展開と製鉄技術の特徴
日本製鉄は、製鉄から加工・販売までを一貫して行う総合鉄鋼メーカーで、技術力を強みとして事業を展開しています。
特に、高炉や鋳造設備、建設資材、エンジニアリングなどの分野で開発した技術は世界的に高く評価され、社会・環境に貢献しています。
また、国内だけでなく海外にも製造拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
日本製鉄は、鉄鋼業界でトップクラスの技術力と製品の品質を誇り、今後もこれらの製品・技術開発や海外市場の拡大に向けた事業展開などを強化を図っていくことで、社会に貢献していくことを目指しています。
日本製鉄の歴史と現在の業界地位
日本製鉄は、鉄鋼業界のトップメーカーであり、製鉄・製品製造から販売まで一貫した事業展開を行っています。
高炉・製鉄所を中心に技術開発を進め、製品の品質や生産性を向上させてきました。
その結果、国内だけでなく世界の製鉄業界でもトップクラスの地位を確立し、中国やアジア地域においても事業を展開し、需要の拡大に対応しています。
日本製鉄は、歴史ある製鉄業界の中で成長を続けており、今後も技術開発に力を入れ、業界のトップメーカーとして必要な対応を行っていくことで、産業界に貢献していくことを目指しています。
現時点の株価
2023年2月から3月にかけて大幅に上昇しましたが、2023年3月以降は下落傾向となってしまっています。
ところが、6月初旬に底を付けてそこから緩やかな上昇傾向に転じているように見えます。
企業分析
各指標について数値の確認をしていきます。
四季報スコア
各指標についてのスコアは下記のとおりです。すべて5段階評価です。
成長性:4
収益性:4
安全性:3
規模 :5
割安度:5
値上がり:5
※四季報オンラインより
四季報スコアは総合評価が「4」、そのうち「規模」、「割安度」、「値上がり」が評価「5」となっています。
以前と比較すると、「値上がり」が「4」→「5」に評価を上げています。
非常に幅広い事業を展開しており、現在の株価はとても割安で、値上がりが期待できるということでとても気になる銘柄ですね。
売上収益の推移
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
---|---|---|---|---|---|
売上収益 | 61,779 | 59,215 | 48,292 | 68,088 | 79,955 |
2021.3まで減少傾向でしたが、その後2022.3に大きく増加し、増収が続いています。
営業利益の推移
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
---|---|---|---|---|---|
営業利益 | 2,651 | △ 2,844 | 1,100 | 9,381 | 8,836 |
営業利益は2020.3に赤字一度つけていますが、それ以外では黒字決算を確保しており、特に2022.3の急激な増収には驚きます。
一方で、2023.3においては減益となっています。
営業利益が減益となる理由としては次のようなことが指摘されています。(※日本製鉄決算資料より)
今期減益となる理由
・世界粗鋼生産数の減少
・国内鋼材需要の鈍化
・為替レートの影響
・鉄鋼原料の高止まり
上昇率は次の通りです。
営業利益率
※日経新聞より
日本の平均的な営業利益率が5%程度なので、上回っています。
一方で、年によっての変動が大きく、その年の景気や社会情勢の影響を大きく受けるということが言えそうです。
予想PER
※日経新聞より
参考までに15倍が平均と言われており、現在の株価は割安と判断できます
EPS(1株あたり当期純利益)
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
---|---|---|---|---|---|
EPS | 281.77 | △ 468.74 | △ 35.22 | 692.16 | 753.66 |
EPSは2020.3にマイナスに転落しましたが、その後は上昇に転じています。
そして、2023.3の数値も753.66円と上昇傾向が続いています。
なお、EPSは投資の神様ウォーレン・バフェットも重要視する指標の1つです。
彼はEPSが上昇傾向にある銘柄に投資するようです。
自己資本比率
※日経新聞より
60%以上あるのが望ましいと言われているので、大幅に下回っています。
ROE(自己資本当期純利益率)
8.0以上あるのが望ましいと言われているので、上回っています。
また、今期についても上期、3Q実績ともに14~20%で推移しており、高い水準を保つことができています。
1株当たり配当金
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
---|---|---|---|---|---|
1株配(円) | 80 | 10 | 10 | 160 | 180 |
1株当たり配当金は2020.3に10円に減配されましたが、2022.3に160円に大幅に増配されました。
さらに、2023.3には180円という過去最高の配当となりました。
目標株価
目標株価はいろいろな機関で算出されていますのでいくつかピックアップします。
目標株価はすべてプラスとなっており、特に約60%は目立ちますね。
まさに、先述した四季報が示す通り「割安」で「値上がり」が期待できる銘柄なのでしょう。
企業の印象
その企業の株を購入するということは、その企業を応援するということになります。
ここまでは、数値をもとに分析をしてきましたが最後は応援したい企業かどうかをHPから確認していきます。
チェックするポイントは次の点です。
企業のチェックポイント | 判定 |
---|---|
HPの見やすさ | △ |
社長(代表)が顔を出しているか | 〇 |
決算説明会の様子 | 〇 |
決算説明会資料の見やすさ | 〇 |
結果、日本製鉄の印象は次の通りです。
トップページはシンプルで、直感的に情報を探すことができます。
しかしながら、財務データを確認するためには、数字が羅列されたエクセルをダウンロードしなければなりません。
そのほかについては、社長のメッセージが掲載されており、会社の経営方針やIR方針などが述べられているほか、決算説明会の様子を記録した動画を閲覧することができるなど、問題はないと考えています。
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日本製鉄への投資判断
今回は銘柄分析として日本製鉄を取り上げました。
まずは日本製鉄の企業情報について紹介し、 次に、株価や業績に関するデータが掲載して投資に係る判断材料を示してきました。
そして、日本製鉄は業績もよく、魅力的な銘柄であることが分かりました。
しかし、景気敏感株でもあるため、社会情勢や景気の様子も見ながら投資をすることがより一層重要になりそうです。
最後までご覧いただきありがとうございました!
※投資に係る最終判断はご自身でお願いいたします。