【2023.4最新】岩谷産業の株価は上がる?将来性は?IR情報を徹底分析しました!

岩谷産業はご存じですか?カセットコンロでなじみがある方も多いのではないでしょうか。

カセットコンロの売上高は実は総売上高の5%未満に過ぎず、他にも多くの事業を行っています。

そこで岩谷産業は今後株価は上がっていくのか、将来性についてIR情報をもとに徹底分析していきます。

目次

岩谷産業とは?

岩谷産業とはいったいどんな会社なのでしょうか。

一言で表すと、

「ガス・エネルギーで私たちの生活や産業を支え、国内トップシェアの水素で未来の社会を創り出す企業」

です。

岩谷産業の主要な4つの事業

岩谷産業では主に4つの事業を展開しています。

5つの主要事業
1.総合エネルギー事業
2.産業ガス・機械事業
3.マテリアル事業
4.自然産業事業

1.総合エネルギー事業

総合エネルギー事業の一部が私たちがよく目にするカセットコンロやカセットボンベの販売です。

この事業で一番大きな割合を占めているのが、LPガスの輸入販売です。

他にも、LNGや灯油、ガス供給設備、ガス機器の販売も行っています。

なお、日本の家庭のうち40%は都市ガスが供給されておらずLPガスを使用しています。そして、LPガスの販売においては岩谷産業はNo.1なのです。

LPガスの販売は岩谷産業がトップシェア

さらに、近年においては、CO2排出量の多い重油や灯油からLPガスや天然ガスへの転換を促進するなど、エネルギーのプロフェッショナル会社としての強みを活かした事業を行っています。

2.産業ガス・機械事業

産業ガスやそれにかかわる設備の販売を行っています。特に特殊ガスの分野においては市場シェアが高いです。

特殊ガスの市場シェア
●水素:約70%(業界1位)
●液化水素:100%(業界1位)
●ヘリウム:約50%(業界1位)

特に、液化水素については、岩谷産業が唯一の提供業者となっています。

それぞれの特殊ガスは様々な形で活用され、次世代の社会を担っていきます。

水素の活用
・ガラス
・半導体
・宇宙開発
・燃料電池車/燃料電池バス

ヘリウムの活用
・光ファイバー
・半導体
・MRI

3.マテリアル事業

マテリアル事業では、私たちの社会や生活に身近な部材を提供しています。

製品主な活用例主な取引先業界
PET樹脂ペットボトル飲食業界
フィルム保護テープ日用雑貨業界
樹脂成型品エアコンパネル家電業界
セラミックスセラミックス製品半導体業界
金属部品ステンレス・アルミニウム電子部品業界
電子部品ディスプレイ材料電子部品業界

4.自然産業部門

岩谷産業は”食”にかかわる事業も行っています。

例えば業務用や一般家庭向けに冷凍食品の販売を行っているほか、畜産における種豚の飼育や畜産の設備、農業の資材・設備の販売も行っています。

現時点の株価

現時点の株価
6,130円(2023年4月7日)

2023年2月中旬からは株価が大きく上昇傾向にありましたが、シリコンバレーバンクの破綻を受けて現在大きく下落しています。

企業分析

各指標について数値の確認をしていきます。

四季報スコア

四季報スコア
5段階評価中「3」

各指標についてのスコアは下記のとおりです。すべて5段階評価です。

成長性:2
収益性:3
安全性:3
規模 :3

割安度:4
値上がり:
3

※四季報オンラインより

「割安度」の評価は比較的高めで「4」ですが、そのほかの指標があまりぱっとしません。

一方で、悪い評価がないという点は見逃してはならない重要な点です。

売上高の推移

決算期2019.32020.32021.32022.32023.3(3Qまで)
売上高(百万円)715,085686,771635,590690,392655,788
岩谷産業HPを基に作成

2021年までは減少傾向にありましたが、2022年に大きく増加しています。

そして、今期(2023.3)についても、3Q時点で通期売上高予想対する進捗率は78.1%であり、売上高の増加傾向は続く見込みです。

売上高上昇率
2020.3→2021.3:7.4%減
2021.3→2022.3:8.6%増

2020.3から2021.3にかけての上昇率は減少でしたが、2021.3から2022.3にかけての売上高上昇率は増加しました。

営業利益の推移

決算期2019.32020.32021.32022.32023.22(3Qまで)
営業利益(百万円)26,45628,72829,07640,07623,781
岩谷産業HPをもとに作成

営業利益は2022.3まで増加傾向が続いており、特に2022.3においては大幅に向上しました。

一方で、2023.3においては、3Q時点で、23,781百万円にとどまっており、今後も増加傾向が続くかどうかは不透明な状況です。

上昇率は次の通りです。

営業利益上昇率
2020.3→2021.3:4.3%増
2021.3→2022.3:33.6%増

上昇率はいずれの年も増加していますが、特に2021.3から2022.3までの1年間においては30%を超えて大幅に上昇しています。

営業利益率

営業利益率
5.8%(2022.3実績)

※日経新聞より

日本の平均的な営業利益率が5%程度なので、平均的な数値です。

2020.3ごろまでは、営業利益率が5%を切って推移していましたが、それ以降改善が続いています。

EPS(1株あたり当期純利益)

決算期2019.32020.32021.32022.3
EPS(円)390.62426.63431.65520.98
岩谷産業HPをもとに作成

EPSは2019.3から一貫して上昇を続けています。

EPSは投資の神様、ウォーレン・バフェットも重要視する指標の1つのようです。

自己資本比率

自己資本比率
48.4%

※日経新聞より

60%以上あるのが望ましいですが、大きく下回っています。

自己資本比率は2018.3から一貫して上昇を続けており、現在48.4%となりました。自己資本比率は必ずしも高いほうがいいというわけではありませんが、引き続き注視していく必要がありそうです。

ROE(自己資本当期純利益率)

ROE
11.7%

8.0以上は欲しいので、上回っています。

また、2018.3以降では、ROEの数値が10%を切ったことはなく、比較的安定して推移しています。

1株当たり配当金

決算期2019.32020.32021.32022.32023.3(見込み)
1株配(円)6595758585
岩谷産業資料を基に作成

1株当たり配当金は2020.3に突出していますが、これは記念配当20円を含んでいます。

そのため、2020.3の通常の配当金は75円であり、2019年から上昇傾向していることが分かります。

目標株価

目標株価はいろいろな機関で算出されていますのでいくつかピックアップします。

目標株価
8,337円【+36%】(株予報Pro
6,780円【+10.6%】(みんかぶ
8,125円【+32.5%】(日系大手証券)

※上昇率は6,130円基準(2023年4月7日)

目標株価はいずれの金額も大きくプラスであり、株価の上昇が期待されています。

企業の印象

その企業の株を購入するということは、その企業を応援するということになります。

ここまでは、数値をもとに分析をしてきましたが最後は応援したい企業かどうかをHPから確認していきます。

チェックするポイントは次の点です。

企業のチェックポイント判定
HPの見やすさ
社長(代表)が顔を出しているか
決算説明会の様子
決算説明会資料の見やすさ

結果、岩谷産業の印象は次の通りです。

個人投資家向けのHPがまとまってあり、一通りの資料や企業の特徴を拝見することができました。

特に決算の数字をまとめた部分は、グラフ・表どちらの形式でも載せられており、インタラクティブに操作をすることができました。

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岩谷産業への投資判断のまとめ

今回は銘柄分析として岩谷産業を取り上げました。

銘柄分析を行ったところ、目立った悪い数値はなく今後の業績に期待ができそうです。

また、水素をはじめとしたエネルギーの活用が今後ますます世の中から求められることになりそうです。

引き続き注視していきたいと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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