参天製薬はご存じですか。
参天製薬は目薬の「アレジオン」の製造・販売を行っている会社です。
スマートフォンやPCを眺めることが多くなった昨今、「目」に対して気を配る方が増えてきています。
今回はそんな眼科領域に特化した参天製薬について取り上げ、今後の見通しについて考察していきます!
参天製薬とは?
参天製薬とはいったいどんな会社なのでしょうか。
一言で表すと、
です。
目に関する不調は今や社会課題となっています。
長時間のパソコン作業が当たり前になっている中、近年ではテレワークが普及しさらにその傾向が強まっており、目の疲れや渇き(ドライアイ)を感じる方が増えているほか、
花粉症やアレルギーなどによって目にかゆみを感じる方も多くいます。
そのほかにも、目に関する病として「近視」や「老眼」、「緑内障」なども怖い病気として認識され始めています。
参天製薬の主力製品
具体的に、主力の製品としては下記のようなものがあります。
アレジオンについては、目薬のアレジオン点眼薬です。アレルギー専用鼻炎薬にも同様の名称のアレジオンという薬がありますが、こちらはエスエス製薬が発売する鼻炎薬です。
アイリーア硝子体内注射液は、不必要な血管が新しく出来ることや 血管から水分が漏れ出ることを抑えて、視力を維持あるい は改善したり、眼圧を下げたりします。
この薬は極度の近視や、高い眼圧に対して有効とされており、2022年度第2四半期だけで358億円の売上収益を出しており、全体の約50%弱となります。
日本の売上収益を大きく支えている製品と言っても過言ではありません。
また、アレジオン点眼薬はアレルギー性結膜炎の主症状である眼のかゆみや眼の充血などの症状に有効であるとされています。
参天製薬の強み
参天製薬は人々の目を守る企業として、以下のような強みを持っています。
それぞれ簡単に説明していきます。
独自の医療品開発技術
参天製薬は、自社独自の医薬品開発技術を持っています。
この技術により、多くの種類の医薬品を開発することができ、競合他社との差別化を図っています。
また、高い品質を維持するための製造技術にも力を入れており、製造工程において品質管理を徹底し、より良い医薬品を提供することを目指しています。
幅広い品目のラインナップ
参天製薬は、先ほど紹介した主力製品だけでなく、様々な商品を製造・販売しています。
痛み止め、解熱剤、抗菌剤、抗アレルギー薬、抗うつ薬、内分泌系薬剤など、幅広い品目のラインナップを持っています。
これにより、幅広い疾患に対応することができます。
国内外での販売網
参天製薬は、国内外での販売網を持っており、世界中の患者に医薬品を提供することができます。
特に、東南アジアや中南米などの新興国市場に進出し、海外展開にも力を入れています。
具体的な地域別売上比率は次のような割合になっています。
(EMEAとはヨーロッパ・中東・アフリカ地域のことです。)
現時点の株価
参天製薬の株価は2023年2月から上昇トレンドが続いています。
企業分析
各指標について数値の確認をしていきます。
四季報スコア
各指標についてのスコアは下記のとおりです。すべて5段階評価です。
成長性:3
収益性:5
安全性:4
規模 :3
割安度:-
値上がり:1
※四季報オンラインより
「収益性」については高く評価されていますが、「値上がり」についてはあまり期待されていないようです。
株価の動きをより注視していく必要がありそうです。
売上収益の推移
決算年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|
売上収益(百万円) | 234,026 | 241,555 | 249,605 | 266,257 |
2019年から一貫して上昇傾向が続いています。
どちらの数値も跳びぬけていい数字というわけではありませんが、売上高が堅調に伸びていることは安心材料の1つです。
一方で、今期の売上収益予想は前期よりも減益となることが予想されており、引き続き注視していくことが重要です。
営業利益の推移
決算期 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|
営業利益 | 45,098 | 33,535 | 12,187 | 35,886 |
2021年まで減少傾向が続いていましたが、2022年に大きく上昇に転じました。
上昇率は次の通りです。
売上高は上昇傾向が続いていますが、営業利益は2021年まで減少が続いています。
この要因として、研究開発費の増加が言われています。
また、今期については赤字に転落することが予想されており、営業利益が落ち着くフェーズにはまだ達していない模様です。
営業利益率
※参天製薬IR資料より
日本の平均的な営業利益率が5%程度なので、大幅に上回っています。
予想PER
※株探より
参考までに15倍が平均と言われています。
EPS(1株あたり当期純利益)
決算期 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|
EPS | 78.67 | 59.16 | 23.30 | 68.07 |
EPSは2021年まで減少し、その後大きく上昇しています。
EPSは投資の神様、ウォーレン・バフェットも重要視する指標の1つのようです。
2022年には上昇しましたが、この上昇傾向が続くのかどうか注視していく必要がありそうです。
自己資本比率
※日経新聞より
60%以上あるのが望ましいと言われているので、こちらは問題さそうです。
ROE(自己資本当期純利益率)
8.0以上は欲しいので、こちらも十分に条件を満たしています。
1株当たり配当金
決算期 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|---|
1株配 | 13 | 13 | 16 | 16 |
1株当たり配当金は2019年度から2020年度にかけて1度上昇しています。
目標株価
目標株価はいろいろな機関で算出されていますのでいくつかピックアップします。
目標株価はいずれの算出も大きくプラスであり、特に30%超えは目立ちますね。
企業の印象
その企業の株を購入するということは、その企業を応援するということになります。
ここまでは、数値をもとに分析をしてきましたが最後は応援したい企業かどうかをHPから確認していきます。
チェックするポイントは次の点です。
企業のチェックポイント | 判定 |
---|---|
HPの見やすさ | 〇 |
社長(代表)が顔を出しているか | 〇 |
決算説明会の様子 | ◎ |
決算説明会資料の見やすさ | 〇 |
結果、参天製薬の印象は次の通りです。
個人投資家向けのHPがまとまってあり、一通りの資料や企業の特徴を拝見することができました。
データが図式化されてまとめられているページもあり、企業の概要について視覚的に把握することができました。
決算説明会の動画は過去数年分がアップされており、過去の資料についても見ることができるようになっています。
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まとめ
今回は銘柄分析として参天製薬を取り上げました。
目の健康に対する需要が日本だけでなく世界で拡大する昨今において、参天製薬の今後に期待ができそうですね。
最後までご覧いただきありがとうございました!