皆さんはエネチェンジという会社はご存じですか?
一般ユーザー向けに電力切り替えプラットフォームを運営しているので、聞いたことがある方も多いかもしれません。
しかし、エネチェンジはそれでけにはとどまらずエネルギー全般の幅広い事業を手掛けています。
今回はそんなエネチェンジを取り上げ、銘柄分析を行い、投資のタイミングについて考察していきたいと思います。
エネチェンジ(4169)を取り上げる理由
エネチェンジは今から約2年前の2020年12月に東証マザーズ(当時)に上場したベンチャー企業です。
電気料金をの値上がりや、新しいエネルギーについての議論がこれまで以上に活発になっている昨今、エネルギーテックへの期待がより一層高まってきています。
実際に売上高はここ3年で3倍近くと伸びています。
エネチェンジとはどんな会社?
エネルギーテックとして初の上場企業
エネチェンジとはいったいどんな会社なのでしょうか。
一言で表すと下記のとおりです。
先ほどから説明しているエネルギーテックとは、「電力の発電や小売は行わずに、エネルギー業界にテクノロジーサービスを提供する会社」のことです。
主に3つの事業を展開していますので、1つずつ説明していきます。
事業内容1.エネルギープラットフォーム事業
1つ目はエネルギープラットフォーム事業です。
こちらは、toC(一般消費者向け)事業であの「エネチェンジ」のことですね。
電気やガスの料金を簡単に比較することができ、電力会社及びガス会社の切り替えサービスを提供しています。
実際に私は1年から2年ほどで引っ越ししていますが、そのたびにお世話になっています笑
このサービスが提供されるまでは、個別に調べる必要があり、かなり面倒でしたが、「エネチェンジ」というプラットフォームができたことで、私たちがどの会社と契約したらどれくらいの金額を支払うことになるのか、見える化が可能になりました。
事業内容2.データ事業
2つ目の事業の柱はデータ事業です。
こちらは、電力会社向けのサービスであり、私たちにはほとんどなじみがないと思います。
具体的には、電力会社向けに電力マネジメントサービスとして「エネチェンジクラウドDR」の新規導入を進めています。
2022年夏には約13万件であったDR参加者数は2022年冬には約70万件に増加する見込みで、さらには2023年夏には約100万件を目指すほど、急成長している事業です。
そのため、エネチェンジではデータ事業を「安定的な売上高成長と利益成長」フェーズに位置付けています。
事業内容3.EV充電事業
3つはEV充電事業です。
最近、CMやWEB広告でも見かけることが多くなりましたが、エネチェンジはEV充電インフラサービスを提供しています。
こちらは現在先行投資中であり、これからEVが普及するフェーズにおいて大きな役割を果たすことになるでしょう。
現時点の株価
年始からほぼ横ばいで推移してきましたが、2月下旬と3月上旬に大きな上昇を繰り返しています。
企業分析
各指標について数値の確認をしていきます。
四季報スコア
各指標についてのスコアは下記のとおりです。すべて5段階評価です。
成長性:5
収益性:3
安全性:3
規模 :1
割安度:-
値上がり:5
※四季報オンラインより
成長性と値上がりが「5」と今後の成長と合わせて株価も上昇していくことが期待できそうです。
特に「値上がり」については先月までは「1」と評価されていたので、大幅に見直されています。
原因として考えられるのが、EV充電事業への期待の高まりです。
東京都が2030年にEV充電器の設置台数を21年度末と比較して150倍に増やす計画を発表しました。
この発表を受けて株価は大きく上昇したほか、今後も上昇が継続していくのではないかと判断されたためと考えられます。
売上高の推移
決算期 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年(3Qまで) |
---|---|---|---|---|
売上高 | 1,211 | 1,712 | 3,016 | 2,818 |
2019年から上昇傾向であり、特に2020年から2021年にかけては大幅に増加しました。そして、今期についても3Q時点で前期の通期売上に迫る勢いです。
上昇率は次の通りです。
売上高上昇率についてもやはり1年間で41%、76%と驚異的なパーセンテージをたたき出しています。
営業利益の推移
決算期 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年(3Qまで) |
---|---|---|---|---|
営業利益 | -322 | 53 | 40 | -824 |
営業利益については2019年と今期で赤字となっています。どちらともこの赤字の大きな要因は将来への設備投資のためと説明されています。
特に今期においては、EV充電事業においてNo.1シェアを獲得するため、充電インフラの整備を進めており、その結果が数字として表れたものだと考えられます。
上昇率は次の通りです。
予想PER
2020年の年末に上場した企業だからか、四季報オンラインには予想PERの記載はありませんでした。
※四季報オンラインより
EPS(1株あたり当期純利益)
決算期 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年(3Qまで) |
---|---|---|---|---|
EPS | -45.4 | -3.1 | -3.25 | -30.43 |
EPSは2019年から一貫してマイナスであり、特に営業利益と同様に2019年と2022年(3Qまで)において大きくマイナスとなっています。
こちらも営業利益と同様に、現在は将来への設備投資に金額が大きく充てられているため、EPSの数値も総じてマイナスとなっています。
これから数年という単位でいずれはプラスに転じることでしょう。
営業利益率
日本の平均的な営業利益率が5%程度なので、十分に上回っています。
※エネチェンジ決算資料より
自己資本比率
60%以上あるのが望ましいため、基準を上回っています。
また、2019年から自己資本比率は一貫して上昇しています。
※エネチェンジHPより
ROE(自己資本当期純利益率)
8.0以上は欲しいところですが、マイナスになってしまっています。
ROEがマイナスになる理由として一般的には2つあります。
ROEがマイナスになる主な理由
1.事業不振によって利益が減少
2.原材料高騰や人手不足による賃金上昇などのコスト増加によって利益が減少
3.先行投資によって一時的に利益が減少
1、2⇒あまりいい状況ではない
3⇒将来に備えた一時的な利益の減少であり、そこまで気にする必要はない
エネチェンジのROEがマイナスである理由は、上記の「3.先行投資によって一時的に利益が減少したもの」であり、投資判断に大きな影響は与えないと考えています。
※エネチェンジHPより
目標株価
目標株価はいろいろな機関で算出されていますのでいくつかピックアップします。
目標株価はどちらも大きくプラスに設定されています。
企業の印象
その企業の株を購入するということは、その企業を応援するということになります。
ここまでは、数値をもとに分析をしてきましたが最後は応援したい企業かどうかをHPから確認していきます。
チェックするポイントは次の点です。
結果、コアコンセプト・テクノロジーの印象は次の通りです。
企業のチェックポイント | 判定 |
---|---|
HPの見やすさ | 〇 |
社長(代表)が顔を出しているか | 〇 |
決算説明会の様子 | 〇 |
決算説明会資料の見やすさ | 〇 |
チェックポイントはいずれも問題ないと考えています。
特に、決算説明資料にはストーリー性があり、興味深く最後まで読み進めることができました。
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まとめ
今回は銘柄分析としてエネチェンジを取り上げました。
エネルギーテック初の上場企業として、急成長中の企業です。現在は先行投資段階であるため、コストがかさんでいますが、エネチェンジの今後に期待したいと思います!
最後までご覧いただきありがとうございました!