住友化学はご存じですか?三井住友銀行と並び、住友グループの中核を担っている企業です。
住友化学の株価は400円台とかなり安い価格となっています。今後大きく伸びることはあるのでしょうか?
そこで今回は住友化学について徹底的に銘柄分析をしていきます。
住友化学とは?
住友化学とはいったいどんな会社なのでしょうか。
一言で表すと、
です。
住友化学の主要な5つの事業
住友化学は先述の通り、幅広く事業を展開しており、主に5つの主要な事業分野があります。
1.エッセンシャルケミカルズ
こちらはいわゆる化学製品で、樹脂や繊維を使った製品を提供しています。
2.エネルギー
省エネルギーのための製品づくりに必要な素材を提供しています。
3.情報電子科学
液晶や有機ELといったフラットパネルディスプレイに使用される材料を提供しています。
4.健康・農業関連
人々の健康や生活のための食糧補給に必要な飼料を製造しています。
5.医薬品
住友ファーマ株式会社、日本メジフィジックス株式会社に委託しています。
現時点の株価
住友化学の株価は2023年1年間にわたって下落し続け、12月にさらに大きく下落しました。
これは、24年3月期の決算予想が大幅に下降したことや、一部日系大手証券が目標株価を引き下げたことが原因として考えられます。
その後反動もあってか、12月下旬から上昇に転じ2024年になってもその傾向がまだ続いています。
企業分析
各指標について数値の確認をしていきます。
四季報スコア
各指標についてのスコアは下記のとおりです。すべて5段階評価です。
成長性:4
収益性:3
安全性:2
規模 :4
割安度:-
値上がり:1
※四季報オンラインより
「成長性・収益性・規模」においては、評価が「4」ですが、「値上がり」の評価は「1」となっています。
これを見る限りだと住友化学は短期的には、テンバガーになるのは難しいように見えます。
売上収益の推移
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
---|---|---|---|---|---|
売上収益(億円) | 23,185 | 22,258 | 22,869 | 27,653 | 28,952 |
コロナウイルスの影響もあり、2020.3決算においては前年比売上収益が減少したものの、その後は2年間上昇が続いています。
なお、今期(2023.3)の売上収益予想は29,900億円であり、下方修正はされたものの売上収益の増加傾向は続く見込みです。
2021.3から2022.3にかけての売上収益上昇率は大幅に増加しましたが、翌年は増加が小幅にとどまっています。
営業利益の推移
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
---|---|---|---|---|---|
営業利益(億円) | 1,829 | 1,375 | 1,371 | 2,150 | -309 |
2021.3までは減少傾向でしたが、2021.3から2022.3にかけては大幅に営業利益が向上しました。
しかし、2023.3においては赤字に転じています。
上昇率は次の通りです。
営業利益率
※住友化学HPより
営業利益がマイナスであるため、利益率もマイナスの数値となっています。
なお、日本の平均的な営業利益率が5%程度ですが、過去においては6~7%で推移していました。
EPS(1株あたり当期純利益)
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
---|---|---|---|---|---|
EPS(円) | 72.17 | 18.91 | 28.16 | 99.16 | 4.27 |
EPSは2020.3に大きく減少しているものの、その後は上昇しており、2022.3には2019.3の金額を大きく超えています。
しかし、2023.3においては再び大幅に減少し毎年大きくぶれていることが分かります。
EPSは投資の神様、ウォーレン・バフェットも重要視する指標の1つのようです。
自己資本比率
※日経新聞より
60%以上あるのが望ましいですが、大きく下回っています。
またこの数値は一時的ではなく、2018年ごろから30%前後を推移している状況が続いています。
ROE(自己資本当期純利益率)
8.0以上は欲しいですが、大幅に下回ってしまっています。
1株当たり配当金
決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
---|---|---|---|---|---|
1株配(円) | 22 | 17 | 15 | 24 | 18 |
1株当たり配当金は2019.3から減少が続き、2022.3に上昇しましたが再び減少しています。
特に、直近だと2023.3期は業績が低迷しており、2023年2月1日の決算発表では配当金未定とする発表がありましたが、減配にとどまり18円の配当となりました。
目標株価
目標株価はいろいろな機関で算出されていますのでいくつかピックアップします。
目標株価はプラスに設定されていますが、多くの機関が目標株価の引き下げを行っています。
株価が下がっていることから割安感は増している状況ですが、経営状況がいいとは言えないため、安易に投資するのは避けたほうがいいかもしれません。
企業の印象
その企業の株を購入するということは、その企業を応援するということになります。
ここまでは、数値をもとに分析をしてきましたが最後は応援したい企業かどうかをHPから確認していきます。
チェックするポイントは次の点です。
企業のチェックポイント | 判定 |
---|---|
HPの見やすさ | ◎ |
社長(代表)が顔を出しているか | 〇 |
決算説明会の様子 | 〇 |
決算説明会資料の見やすさ | 〇 |
結果、住友化学の印象は次の通りです。
個人投資家向けのHPがまとまってあり、一通りの資料や企業の特徴を拝見することができました。
特に決算の数字をまとめた部分は、グラフ・表どちらの形式でも載せられており、インタラクティブに操作をすることができました。
決算説明会の動画はもちろんのこと、個人投資家向けの会社説明会の動画も公開していました。
おすすめの投資情報サイト
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住友化学の株価が低い状態は当面続くか
今回は銘柄分析として住友化学を取り上げました。
住友化学は住友グループの中核企業であるほか、社長は現在の経団連のトップも務めています。
しかしながら、一企業として置かれている状況は大変厳しく、当面は株価が低い状態が続くのではないでしょうか。
引き続き注視していきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!