住友化学はご存じですか?三井住友銀行と並び、住友グループの中核を担っている企業です。
住友化学の株価は400円台とかなり安い価格となっています。今後大きく伸びることはあるのでしょうか?
そこで今回は住友化学について徹底的に銘柄分析をしていきます。
住友化学とは?
住友化学とはいったいどんな会社なのでしょうか。
一言で表すと、
です。
住友化学の主要な5つの事業
住友化学は先述の通り、幅広く事業を展開しており、主に5つの主要な事業分野があります。
1.エッセンシャルケミカルズ
こちらはいわゆる化学製品で、樹脂や繊維を使った製品を提供しています。
2.エネルギー
省エネルギーのための製品づくりに必要な素材を提供しています。
3.情報電子科学
液晶や有機ELといったフラットパネルディスプレイに使用される材料を提供しています。
4.健康・農業関連
人々の健康や生活のための食糧補給に必要な飼料を製造しています。
5.医薬品
住友ファーマ株式会社、日本メジフィジックス株式会社に委託しています。
現時点の株価

住友化学の株価は2023年~2024年の2年間にわたって下落し続け、さらに、2025年3月のトランプショックで大きく下げました。
一方で、2025年春からは株価は上昇傾向に転じ、9月まで上昇基調が続いていました。
その後、10月からは横ばいで推移しています。
企業分析
各指標について数値の確認をしていきます。
四季報および住友化学HPを参照して作成しています。
四季報スコア
各指標についてのスコアは下記のとおりです。すべて5段階評価です。
成長性:3
収益性:3
安全性:2
規模 :4
割安度:3
値上がり:3
※四季報オンラインより
評価が「3」の項目が多くみられます。
よくもなく、悪くもないという感じでしょうか。
これを見る限りだと住友化学は短期的には、テンバガーになるのは難しいように見えます。
売上収益の推移
| 決算期 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 | 2024.3 | 2025.3 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上収益(億円) | 22,258 | 22,869 | 27,653 | 28,952 | 24,468 | 26,062 |

2020.3決算から2023.3決算まで増収が続いていましたが、2024.3に減益となりました。
そのご、再び増収に転じましたが、今期(2026.3)の売上収益予想は23,400億円であり、売上収益は減少に転じる見込みです。
2021.3から2022.3にかけての売上収益上昇率は大幅に増加しましたが、翌年は増加が小幅にとどまっています。
営業利益の推移
| 決算期 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 | 2024.3 | 2025.3 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 営業利益(億円) | 1,375 | 1,371 | 2,150 | -309 | -4,888 | 1,930 |

2023.3に赤字に転落し、2024.3には赤字幅が大幅に膨らみました。
しかし、2025.3に黒字転換しています。
今期(2026.3)は1,050億円と減益にはなりますが、黒字は維持する見込みです。
上昇率は次の通りです。
営業利益率
営業利益はかろうじてゼロを上回っていますが、決して高い数値ではありません。
なお、日本の平均的な営業利益率が5%程度のため、それと比較しても低い数値であることが分かります。
EPS(1株あたり当期純利益)
| 決算期 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 | 2024.3 | 2025.3 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| EPS(円) | 18.91 | 28.16 | 99.16 | 4.27 | -190 | 23.59 |

EPSは2024.3に大きく減少しています。
しかし、2025.3にプラスに転換し、今期(2026.3)予想は24.66とさらに伸びる見込みです。
EPSは投資の神様、ウォーレン・バフェットも重要視する指標の1つのようです。
自己資本比率
※日経新聞より
60%以上あるのが望ましいですが、大きく下回っています。
またこの数値は一時的ではなく、2018年ごろから30%前後を推移している状況が続いています。
ROE(自己資本当期純利益率)
8.0以上は欲しいですが、下回ってしまっています。
1株当たり配当金
| 決算期 | 2019.3 | 2020.3 | 2021.3 | 2022.3 | 2023.3 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1株配(円) | 22 | 17 | 15 | 24 | 18 |

1株当たり配当金は2019.3から減少が続き、2022.3に上昇しましたが再び減少しています。
特に、直近だと赤字転落時にさらに減配となりました。現在は1株当たり9円で推移しています。
目標株価
目標株価はいろいろな機関で算出されていますのでいくつかピックアップします。
目標株価はプラスに設定されていますが、多くの機関が目標株価の引き上げを行っています。
株価の上昇が落ち着いてきましたが、心配な指標も多く存在するため、安易に投資するのは避けたほうがいいかもしれません。
企業の印象
その企業の株を購入するということは、その企業を応援するということになります。
ここまでは、数値をもとに分析をしてきましたが最後は応援したい企業かどうかをHPから確認していきます。
チェックするポイントは次の点です。
| 企業のチェックポイント | 判定 |
|---|---|
| HPの見やすさ | ◎ |
| 社長(代表)が顔を出しているか | 〇 |
| 決算説明会の様子 | 〇 |
| 決算説明会資料の見やすさ | 〇 |
結果、住友化学の印象は次の通りです。
個人投資家向けのHPがまとまってあり、一通りの資料や企業の特徴を拝見することができました。
特に決算の数字をまとめた部分は、グラフ・表どちらの形式でも載せられており、インタラクティブに操作をすることができました。
決算説明会の動画はもちろんのこと、個人投資家向けの会社説明会の動画も公開していました。
住友化学の株価が低い状態は当面続くか
今回は銘柄分析として住友化学を取り上げました。
住友化学は住友グループの中核企業であるほか、社長は2025年3月まで経団連のトップも務めていました。
しかしながら、一企業として置かれている状況は大変厳しく、当面は株価が低い状態が続くのではないでしょうか。
引き続き注視していきたいと思います。

